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ドキュメンタリー映画「兵役拒否」視聴と話し合い、全体交流 ふりかえり

2023年9月28日 平和学習レポート

盛岡スコーレ高等学校2学年

講師 野島 浩司さん


高校2年生の「総合的探究の時間」に、ドキュメンタリー映画を使って学年全体で平和学習に取り組まれた盛岡スコーレ高等学校の授業レポートを掲載させていただきます。視聴された作品は男女共に兵役義務のあるイスラエルで兵役拒否を宣言する女子学生を追ったドキュメンタリー映画「兵役拒否」(2019年製作)です。



●今日の学習のゴール

①世界の現実に理解を深め、戦争と平和を「自分ごと」としてとらえる。

②話し合いにすすんで参加し、お互いの意見を尊重しあう。


●今日の学習の流れ

①ドキュメンタリー映画「兵役拒否」視聴

②グループで感想や意見を出しあう。

③全体で交流する。


【問】映画を見て感じたのは

A平和につながる希望

B平和をつくることの難しさ

どこから、なぜそう感じましたか?



グループの話し合いから平和につながる希望


●少しでも戦争反対派の人達がいる●アミタイ(兄)が対立している民族の人と友人になれていた●無し‼●意見を話し合える人がいるから●若い人達が全員(徴兵)に反対すればいい●アタルヤさんが刑務所に入れられたけど、常識を変える一歩になったかもしれない●兵役拒否者グループの発言から、希望は無理にでも作り出さないといけない●反対派がデモを起こした●兵役拒否者の活動を見て、同じ意見の人が少なからずいることに平和への希望を感じた●自分の平和に対する考えを希望に変えてもらった●アタルヤが平和にしようと行動しているところ●戦わないことを正義としている人達●兵役拒否者支援グループがある●署名を集める●兵役拒否者を支援するグループがある●兵役拒否を理解してくれる人もいる●平和拒否者支援グループがある●政治的に争っている相手とも兄のアミタイは友だちになっている●若者達の意識が変化してきている●戦わないことを選ぶ人がいること●アタルヤのことを親が怒らなかった●若い人達が兵役を拒否することで武力を使わずに平和に近づけられるから●今の状況が平和とは限らないと声をあげる人たちがいる●ドーリ(甥)が軍隊に入りたくないと、周りに流されずに自分の意見を言える、否定できる力をもつことが大事●軍隊があることで少しでも国民の命が救われるから●声をあげる活動(兵役拒否)が広がってきていること



平和をつくることの難しさ


●選民思想による差別がなくならない限りは解決は難しい●祖父が「私の時はその考えはない」と言っていた。時代が経つことで他国のことを知り、自国の政治への疑問を持っている人が増えている。他の国などがよく見えてしまう(ことにより、かえって対立がうまれてしまうという意味かな。↑引用者)●一部の人の意見だけでは国を変えることはできない●世代で考えが異なるから●(戦争に)行っても生きて帰ってこられなかったり、兵役を拒否しても刑務所行き。社会が閉鎖的であるため、平和への希望が見えないから●兵役を拒否をすれば刑務所に行ったり、周りに冷たい目で見られる●言葉だけでは解決することが難しい●家族に理解されないなら、国に理解されるのはもっと難しいと思った●戦うことを正義にしている人●(ユダヤ人の)居場所を奪ったドイツの人が悪いのに、ユダヤ人が同じことを(アラブ人に)している●法律を守ると戦うことになる●一人ひとり意見が違って、それを認め合えなくて対立するから。兵役を拒否すると世間から白い目で見られてしまう●意見を言っても通らない●お互いに(相手が)変わることを待っている●兵役拒否をすると投獄されてしまう●軍経験者は兵役拒否に否定的な考えが多い●軍隊があるから戦争が終わらない●一人ひとりが戦争を無くす努力をしなくてはならない●軍隊をつくろうとする人がいる●平和がないから、戦うしかない●アタルヤの場合、家族が兄以外全員軍隊(経験者)で、拒否が(理解される)理由がなく、自分の意見が受け入れられない●兵役拒否が簡単に認められないこと●経験の差が意見の違いにつながっている●意見が対立するから●兵役がある限り、賛成派と反対派の争いが絶対にどこかで起きる●無理に徴兵制をやることでムダな命が奪われるので、平和にならない●色々な民族、思想の人がいる限り衝突は起こりうる●戦争があるから、軍に入りたくない人も入らされるから平和をつくることが難しい●兵役拒否が難しい●兵役を拒否しただけで刑務所は残酷だと思った●(兵役が)義務だから●市民が兵隊に行く派、行かない派に分かれるから難しい●(兵役)義務がプレッシャーになっている。拒否したら捕まってしまうから●軍隊や政府に反対することができない状態●兵役拒否すると、身内からの批判、世間からの悪い評判が出る。このように家族がいるから自分一人では決められない。同調圧力はなかなか変わらないから●兵役は無理矢理兵隊にさせられるから、兵隊は命を落とすから



ふりかえりカードから


ふりかえり1

世界の現実を理解し、自分の考えを持つことができましたか。



ふりかえり2

発言をしたり聞いたりして、話し合いにすすんで参加できましたか。



ふりかえり3

感想・自由記述(例…平和な世界つくるために、私たちにこれから必要なこと)抜粋


■もし自分だったらと考えると、自分もかなり不安になると思う。自分も(軍隊に)行きたくない派だけど、白い目で見られたり、家族との関係がくずれたりと色々なことが起こると思うと、恐怖でどうもできないと思った。行っても行かなくて不安や恐怖がずっとあると思った。


■話し合いでちゃんと話して意見を言うことができたので良かったです。それに他のグループと同じような意見も、文が少しずつ違って、なるほどなこう書けば良かったなと思ったり、まったく違う意見も「確かに」と思うところがたくさんあったので、他の意見を読む時間がもっとほしいなと思いました。


■一番印象にあるのは、子ども達が「手錠だよ」とか「羊はしばっておかないと」等の遊びの会話をしていて、そういう場面ばかり見てきたのかなと思いました。


■軍隊に行くか行かないかで、人生がかなり変わると思ったし、軍隊に行くのが普通だと考えている人がいる環境では、行かなかった人への態度が変わるだろうし、とても難しい内容だった。グループワークでみんなと意見交換をして、みんなの考えが知れて、自分の考えが少し変わったりしたのでおもしろかった。


■映画を視聴して、兵役拒否した人達が周りからどんな目で見られるのかや、自分の意見を主張できない実態について知ることができました。また、世代によって兵役拒否への意見が大きく異なり対立しているシーンが印象的でした。お互いが視点を変えて、それぞれの立場から物事について考え理解しようとする気持ちを持つことが大切だと感じました。



■家族だからといって兵役拒否活動に参加協力してくれるわけではなく、一人で声をあげなければいけない現実に苦しさを感じました。ほぼ自分と同じ年齢で、迷いながらも自分の意思を信じて同じ意見を持つ人とコミュニケーョンをとろうとする姿が本当に勇敢で応援したくなりました。兵役拒否グループで話していたそれぞれの方から熱い思いを感じ、平和の道すぐそこなのではないかとも思ってしまうところもありましたが、やはりその道はまだ遠く、人々の対立の解消法は難しい問題だと思いました。


■中学のときにこの問題について習ったけど、当時は詳しい内部事情については知らなかったので、今日、どんな問題があるのかを知ることが出来ました。これからは関係ないから知らなくてもいいというわけではなく、当事者ではないからこそできることがあるのではないかなと考えるきっかけになりました。


■理不尽な目にあっても、自分が感じる気持ちに正直になることが大切だと思いました。行動を起こすと否定されたり、誰かとぶつかってしまうことはつきものだけれど、その分味方になってくれる人もいるはず!「平和を実現するための手段」に「戦争」が選ばれることが世界からなくなれば良いのになと思います。(きれいごとだけど)


■社会についてもっと考えるべきだと思いました。ドキュメンタリー映画を見て、戦争のことについて考えられたので、とても良かったです。昔のことを引きずるよりも、これからどうするかを考えることが大切だと思いました。これからも、もっと平和な世界をつくるために知っておくことがたくさんあるなーと思いました。


■平和をつくるためには周りの人の意見を多く知ることも大切だと感じた。また、自分の正しいと思うことをしっかり持っていることも大切だと感じた。自分の意見を言える日本にいるからこそ、自分の考えを持ち、政治やニュースをしっかり知っておくようにしたいと思いました。



あとがき

映画「兵役拒否」は「アジアンドキュメンタリーズ」という映画配信サイトで提供されているコンテンツです。世界はまだまだ知らないことばかりだなと思いました。いやもしかしたら近くの周りのことだって、全然分かってないのかもしれません。知らないことに対する謙虚な気持ちをもって、周囲に流されないで、自分が納得できる答えを探していこうと思います。


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